ここのところ、暑い日が多く、夏に近づいていますね。
暑い季節になると気になるのが熱中症。
熱中症患者のおよそ半数が65歳以上といわれています。
また、熱中症で亡くなる方もいますので、高齢者の方は特に注意が必要です。
熱中症の症状とは?
熱中症は、暑いからかかると思いがちですが、
そうではありません。
熱中症とは、気温や湿度が高くなることが原因で起こる
さまざまな症状のことをいいます。
たとえば、軽いものだと「めまい」や「顔のほてり」、
「だるい」などがあげられます。
症状が重くなってくると、頭痛や吐き気、
けいれんなどを起こす場合があります。
熱中症は、症状が重くなってくると
自分で水分をとることができなくなります。
また意識障害やふらつきなどの症状も見られる場合もあり、
最悪の場合は命にかかわることもあります。
高齢者が熱中症になりやすいのはどうして?
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体温調節機能の低下
高齢者は体温調節機能が低下していています。
汗をかいたり熱を発散したりする機能がうまく対応できず、
熱中症をおこしてしまうことがあります。 -
身体からのSOSに気付きにくい
暑さやのどの渇きを感じにくくなるなど、
身体が発しているSOSに気づきにくくなっています。 -
つい我慢をしてしまう
「まわりに迷惑を掛けたくない」「夏は暑いもの」など、
つい無理をして我慢をしてしまったり、
これまでの生活スタイルを変えたくないと
考えてしまうことがあるかもしれません。しかし、体が年齢を重ねるごとに変化していると同時に、
以前より夏は暑くなっています。今までと同じような過ごし方では、対応することができません。
また、無理をして我慢してしまうことが、
逆にまわりに迷惑をかけてしまう場合もあります。いつもと何か違うなと思ったら、無理をしないようにしましょう。
熱中症を予防する方法
熱中症は、重症になると意識障害などを起こしてしまい、
取り返しのつかない状態になる可能性があります。
水分を計画的に補給する
汗をたくさんかいて、脱水症状をおこすと、
熱中症になりやすくなります。
特に高齢者の方は、もともと身体の水分がすくないため、
脱水症状を起こしやすくなています。
喉が乾いたと感じなくても、
意識して水分をとるようにしましょう。
日常生活のなかにスケジュールとして
水分をとることを習慣化することをおすすめします。
たとえば、朝起きたときにコップ1杯のお水をのむ。
食事の前と後にも1杯ずつ。
おやつの時間、入浴の前と後にも1杯ずつ、
というようにあらかじめ決めてしまうと、
ご本人もご家族の方もとりやすくなります。
また長時間飲み忘れてしまう、ということもありません。
水分とあわせて塩分も補給する
水分をとるときは、塩分も一緒にとることが
重要といわれています。
私たちヒトの体は、汗として水分が排出される時に、
塩分も一緒に輩出されています。
体内の塩分が少なくなってくると、
身体の機能が低下します。
塩分などが調整されたアメを食べたり、
梅干しなどを食べたりすると、手軽に塩分を補給することができます。
しかし、持病などで水分や塩分に制限がある場合は
あらかじめ主治医の先生に相談をするようにしましょう。
室温の管理に気をつける
高齢者の中には、エアコンが苦手という方もいらっしゃいますが、
熱中症を予防するために、室温が27~28℃前後になるように
調整するようにしましょう。
部屋に温度計・室時計をおくと、
今の室温が何度か一目でわかるので便利です。
また、テレビでは暑さ指数が発表されているので、
そういった情報も参考にするようにしましょう。
日中の外出や屋外の作業は最小限にとどめて
日中の日差しが強い時間帯に外出したり、
庭仕事など屋外での作業は、体温もあがり、
熱中症になる危険性が高まります。
できるだけ午前中や夕方にすませることをおすすめします。
どうしても外出しなければならない場合は、
帽子や日傘を使ったり、冷却グッズなどを
活用することも検討するようにしましょう。
もしも熱中症になってしまったら対応すべき4つのポイント
気をつけていても熱中症になってしまうことがあるかもしれません。
もしも「熱中症かな?」と思うような気になる症状があれば、
早めに対策をしましょう。
①意識の確認
最初に行っていただきたいのが、意識の有無の確認です。
おかしいなと気づいた時点で、もしも意識がないようであれば、
すぐに救急車を呼びます。
意識はあるようだけれど、
「反応がいつもと違う」
「話し方がおかしい」
といった場合も、病院につれていくよういにしましょう。
②涼しい場所に移動
次に、涼しい場所に移動します。
室内ならば冷房の効いた場所、
屋外の場合は、日陰などに移動させてください。
また、もしも可能であれば、衣類やベルトをゆるめたりして、
体にこもった熱を逃がしてあげましょう。
③水分補給
涼しい場所に移動したら、水分を補給します。
このとき、ジュースではなく、スポーツドリンクなどがおすすめです。
これは汗をかいたときに一緒に失われる塩分も補給させるためです。
しかし、吐き気がある場合は無理に飲ませないようにします。
咳きこむことを防ぐため、水分は少しずつ飲ませましょう。
吐き気を訴えているのであれば、無理に飲ませてはいけません。
④医療機関の受診も検討して
水やスポーツドリンクを、自分で飲むことが難しい場合は、
医療機関を受診しましょう。内科などの医療機関では、
効果がすぐに期待できる点滴で水分補給の処置をしてもらうことができます。
対応がおくれると万一の事態が起きてしまうかもしれません。
少しでも不安であれば、躊躇なく医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
熱中症は、気を付けていれば事前に防ぐことが可能です。
また、万一熱中症になってしまっても、
早めの処置で軽い状態でとどめることができます。
今回ご紹介した方法を実践して、暑い夏を乗り切りましょう。